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秋葉原無差別殺傷事件から数ヶ月…もちろん、当ブログではこの手の事件については取り上げませんが…被害者の方のご冥福及び生存者の方の回復を心から祈るばかりですm(__)m

ただ、事件の犯人が派遣労働者であったと言う事がちょっと引っかかるのです。


派遣で働くと言う事の実態を皆さんご存知でしょうか…もちろん日雇いではなく期間契約して働く場合なんですが…


労働契約として業務請負などの期間契約をして働くことになるのですが、その際各種免許などは(一応)提示しますが、実際にはそれほど加味されないようです…と言うのも、実態としてはライン工として単純労働につかされる場合がほぼ大半で、またその仕事をしたからと言って何らかのスキルアップが望めるようなことはまず100%ありえないからです。


では、具体的にどうなのでしょうか…



一例を挙げてみましょう。


Aさんは新卒時に全く就職口が無く、地方在住だったので職安での募集を見てB派遣会社に応募しました。

B派遣会社での面接で「県外の○○って有名会社での構内での仕事があるのですが、あなたならそちらが向いていると思いますので、そちらで仕事をしてみませんか?」と言われ、Aさんは少し迷いましたが「就職できるなら…それに条件もそれほど悪くないみたいだし…」と思い、このB派遣会社と契約します。

B派遣会社の営業担当C氏と派遣先のD社に出向き、仕事の内容を説明されてのちD社担当者から幾つかの説明を受け、一旦D社近くの会社寮という場所に待機させられますが…、Aさんはこの時漠然とした不安を感じました…
「D社の担当さん、何故私に『企業面接みたいな質問をしたのだろう』…もしかしたら何か問題があるのかなぁ?」

翌日、Aさんは営業担当C氏が朝から迎えに来て「すみませんが、こちらの手違いで別の人間がここへ入ることが決まってしまい、Aさんは出来れば隣の県のE社に行っていただけないでしょうか…もちろん就労条件はこちらと一緒です」と言われます…
Aさんは内心「そういう事もあるのかな」と考えて、とりあえずC氏と一緒に隣県まで移動しますが…
ここでは「Aさんの就労場所はもう決まっていますし、とりあえず明日の夜勤からお願いします。Aさんにはこの寮でお願いします…とりあえず、ここは同室者はいませんので気楽にしていて下さい。布団とテレビ・冷蔵庫・洗濯機は備え付けのものを使ってくれて結構です」…Aさんは少し安堵しました…ようやく就職できる。

翌日夕方、担当C氏と一緒に車で迎えに来た同僚の人…「この人と一緒に通勤して下さい」と担当C氏。
そこから同僚の人と一緒に派遣先の会社へ…

仕事そのものは比較的簡単に覚えられる種類のもので、周りにいるのは同じ派遣会社の人ばかり、管理にこの会社の方がいて、細かい指示はともかく大まかにはこの管理の社員の方がされているようでしたが、何故か話しかけられませんでした。

ただ、毎日が忙しく過ぎ、なかなか休みも無い交代勤務をこなして始めての給料日、Aさんの元にも給与明細が届きます…
「給料、以外に少ないんだなぁ」と明細を見て気づくAさん、明細を良く見てみると寮費や会社での食事代、通勤時の燃料割などを引かれているのを見て不思議には思いましたが、細かいことはこの時は気にしませんでした…ただ、休みも無いのに何故手取りが20万そこそこで…そういえば社会保険の保険証も貰ってない事に気が付きます…
そこで営業担当Cさんを呼んでもらい、話を聞くと「そういうのは一番最初に言ってくれないと…短期契約なんだから、社会保険や厚生年金をかけるとさらに手取りも安くなるしこの現場もいつまで続くかわからないのだから、そういうのは無駄になるよ」と言われ愕然としますが…とりあえず、帰っても仕事は無いのだから、しばらくおとなしくしていよう…そうAさんは考えます。

そんなこんなで、2年の月日が流れます…ある日突然「この現場は今月一杯で終了となります。一応、他の現場に移りたい人は予め申し出て下さい。但し、この現場以上に条件の良い所、もしくは同等のところが今現在少ないので早い者勝ちになりますから」
突然の解雇予告にAさんはびっくりしますが…噂では聞いていたし、これで少し仕事のキャリアもあるから一度実家に帰ってまた職探しをしよう…と考えてあえて他の現場の斡旋を申し込みませんでした。


さて、退職したAさん、また職安に出向きとりあえず失業保険の申請をして、新たな職場を探しますが…
幾つか候補を見て連絡し面接へ…

「うーん…前職が派遣ですか…申し訳ないですが…」
「面接で直接言うのは気が引けるのですが、あなたはこの会社にあっていないと思いますよ」
「とりあえず、今回は他の方に先ほど決めてしまったので」

何社か回ってみますが、何故か全て断られてしまいます…

そうこうしているうちに失業保険の給付がなくなりそうなので、焦ってしまい結局また派遣会社に応募してしまうAさん…


何年かはこの繰り返しをしてしまいますが、ある時面接で決定的な事を言われます。
「うーん…言いたくない事を敢えて言わして貰うけど…派遣や構内請負で仕事をしている人は多分どこも正社員として採用しないんじゃないかな?もちろんうちも原則そうなんだけど…今どうしても人手がほしいから今回は新卒扱いで入社して貰おうかな…本当は駄目なんだけど…その代わり給料は安いよ」
Aさんは今までの経験は何だったのだろう…と感じますがもういつ仕事が無くなるのかわからない仕事はごめんだったので、即断して入社を決めます。
Aさんが入社してわかったのは「今までやってきた仕事は断片でしかなくて、責任もあまりないし確かにやりがいもない…この会社に入社できて良かった」と言う事でした。
そして…今も派遣で一緒だった仲間は…どうなっているのだろう


この例では普通の会社に最終的には就職できますが、もちろんこういう例はあまりありません…
何故なら、端的にこの例で示されている通りの事が起きるからです。
『派遣や構内請負で仕事をしている人は多分どこも正社員として採用しないんじゃないかな?』
つまり一部の資格やスキルが必要な(例えば通訳やCAD、設計補助等の特殊分野や秘書、会計等の資格が必要なもの、研究職などの補助のように予め基本的スキルが必要な分野)仕事で超短期契約出来る旧来の派遣業を除けば単に雇用の調整弁でしかなく、また企業が派遣社員に対して不必要な社員教育を行わない為にそこで働く人がスキルアップされないという状況から、予め何らかの技術が伴わないがゆえにそこから脱するのはかなり難しいと思われます…

そして…この例の中で、始めに「何故企業面接と同じような質問」をされたのか…それは如実に「社員と同等の仕事をさせる為、適性を見ている」事に相成りませんが、だからと言って作業をこなしていればスキルアップされる訳ではありません…そこが派遣の実態なのです。

また、バブル期にフリーターとしてアルバイトをこなしていた方もこういう列に連なっていますので、引き受け市場として結構大きいと思われます。
もちろん、企業側には色々と弁はあるわけですが…特にこの派遣労働を受け入れているのはその殆どが大企業だというところにそのツボがあるような気がするのです…

確かに、このような人材を有効活用する事は企業側のメリットとして、特に規模が大きい大企業なら非常に大きなものがあるはずです。

①人件費(特に固定費としての教育費)が大幅に削減できる
②比較的簡単に雇用調整でき(いつでも契約解除できる)容易にラインの再構築がしやすい
③スキルアップをはかる必要の無い単純労働者を受け入れる事によって、その費用で社内の活性化をはかる事が出来る


また、派遣企業としては

①人の供給は比較的安易に出来る
②比較的容易に人材の管理が出来る…不必要になれば解雇し、必要になれば雇用すればよい
③現場に管理者を置かなくても(現場リーダーを置いておけば)派遣先では大きな問題にならない


もっとも、このような短期といっても数ヶ月から半年以上の契約で雇用される派遣労働者はまだましかも知れませんが…最近問題になっている超短期(日雇い)派遣ですと、この上にアルバイト並みの賃金と(まあ、賃金体系とその金額は半年契約でもあまり変わりは無いのですが)生活できない程度の頻度でしか仕事が無い、などの条件もあって、一層抜け出し難いものになっていますし、3ヶ月以上の派遣の需要が少なくなっているのも事実なので、状況的にはどちらにしても抜け出せにくいでしょう…


本来的にはこのような状況って異常です…
特に海外(欧米)と比べて、何が違うのかと言えば「雇用の期間契約の違いだけで、同じ職種なら給与も同一」という原則が守られず、もしくは派遣労働者を単純作業しかさせないようにしてしまって給与水準を一定以下に押さえ込んでしまう…このような状況を作り出す事が規制緩和だったのでしょうか?

正直、日雇い派遣の盛んな地域では、親族と同居しない限りその収入では生活そのものが出来ず、かといって大手企業の請負現場ではなかなかプライベートが守れない状況の住居スペースしか与えられない事も多かったり、何とか生活は出来ても預金までは回らなかったりするのが実情でしょう…
その間を行ったりきたりする以外、一度派遣労働にはまってしまうと抜けられないのが実情なのではないのでしょうか…


本来的に、企業活動を長期に渡って行う場合、財産は技術や経験を持った人であるはずです。
ところが、この派遣労働の考え方からすると「技術の蓄積も経験も不必要、場面によっては邪魔でしかない」と言う事になります…
こういう状況を問題としている企業では現場の技術職を新卒で採用し一から教育するという事を再開し始めた企業もありますが、そういう大手企業は少ないですしまた採用人数も限られています…
が、もちろん積極的に新卒を募集する企業もこれからは増えてくるでしょう…国際競争力という部分では一面不利に見えるかも知れませんが、実際は競争力の強化に繋がることもあるからです…
ですがこのように一旦派遣で労働する事をある一定年月繰り返してしまった人への救済は全くありませんし、今現在一部職安にて(グットウイル廃業問題で)行われている斡旋でもなかなか就職する事は困難な状況になっているのだと思います。


確かに、私が中小企業のオーナーで人員募集をかけるとき、まず上記のように派遣で仕事をしている人を積極的に採用することは無いでしょう…
しかし、やる気のある人間をある程度再教育が行われれば採用すると思います…
要は中小企業にとって中途採用者は「実戦向き、経験者優遇」なのです…
これは大企業でも同様と思います…


このような状況を作ってきた規制緩和で、踊らされる人を作り上げた責任は一体誰が取るのでしょう…おそらくこの先約数百万人は今の状況から抜け出せることなく推移するのではないでしょうか…そして、そのコストは一体誰が負担するのか…それを考えてのこのエントリーです


追記…もちろん、派遣で働いている各個人の責任は小さいと思いますし、同様に利用している企業そのものに全ての責任があるわけではありません…欧米と同様の雇用システムであった時、今のような状況はおそらく起こっていなかったでしょう。一番の責任は、今のシステムである事を隠して規制緩和を煽った政治家と運用ミスを認めない厚労省・経産省の役人にあるのではないでしょうか…もちろん、経団連等の企業団体にも責任の一端は有り、この先自らの責任を取ることになるとは思います…

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2008.09.23 Tue l 経済みたいなもの l COM(3) TB(1) l top ▲

コメント(^^)/

No.33
こんにちは♪

例えば、子供がいると派遣は意外と助かる部分があるんですよね
長期休暇とかの時は家にいることもできます
(そのためにはスキルアップの努力が必要でしょうが)

ただ、仰る通り蟻地獄の部分が出てきてしまった
そしてそれは日本に導入された段階で都合よく変えられてしまったせいですよね

いつもなんでもそう…


しぶしぶ導入して、スゴいものを導入したような顔をして、実は中身がすり替わっている

そんなことばっかりのように感じています
2008.09.24 Wed : name. CA18DE : URL : - : 編集
No.34
No title
こんばんは
本来技術や経験を積んだ人間を育てるのが長い目で企業や国の財産になると思うのですが、スキルを持たさないようにするとは、やがて経済力が衰退していくような気がしますね(困)
2008.09.24 Wed : name. 秋原葉月 : URL : - : 編集
No.35
CA18DEさん(^^)/

基本的に、時間単位での労働契約で派遣されるのなら、後は当人のスキルにて給与が決まる…こういう便利さって企業側も労働者側もあると思うので全面的に派遣を否定はしたくないのですが…

問題は単純労働を使い捨てにするような派遣は労働法で規制されるべきであり、認められない方が良いと個人的には思うのですよ…

だから全てが反対ではないですよ(苦笑)



秋原葉月さん(^^)/

私の個人的意見なんですが、本来的には企業が自分の手足を食べて生き残っているとしか思えないのですよ(困)
こんな事では、国際的に生き残っていけるのかどうか…

零細企業では、ライン生産をしているところは殆ど皆無なので(あっても本当に自動化が進んでいる事が多い)逆にスキルアップには敏感なんです…もっとも給料がついていかないんですけどね(困)
2008.09.24 Wed : name. ありえす224 : URL : ztCZFfzI : 編集

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